■京都新聞|2016年1月15日(金)掲載

不明者捜索「わかりやす」
スマホ活用システム実証実験 草津「行政とも連携を」

行方不明の認知症高齢者らを想定し、スマートフォンを活用した捜索システムの実証実験が12日、草津市草津2丁目を中心に行われた。

開発したIT企業が主催し、市なども協力。徘徊役に付けた発信器の微弱な電波から場所を特定し、早期発見につなげた。
システム開発会社「ナスカ」(栗東)のスマホアプリ「みつけて.net」を使った。

行方不明者に付けた小型発信器が45メートル以内に近づくと、アプリに情報を通知する仕組み。 訓練では、SNSなどで一般市民にアプリのダウンロードを呼びかけ、有効性を検証した。

男女の高齢者2人が行方不明になったと想定。捜索役はアプリ情報を活用するチームと活用しないチームに分かれ、それぞれ4組8人で探した。 1時間捜索した結果、アプリ情報チームは全4組が徘徊役を2人とも発見したのに対し、活用しないチームは2組が1人を見つけただけだった。

終了後の講評で、参加者からは「勘だけで探すよりわかりやすかった」との声が上がった。
ナスカ社は「満足のいく結果が得られた。行政とも連携して安心できる地域づくりに貢献したい」としている。(山下悟)

みまもり隊
滋賀ICT大賞優秀賞2017